鉄道コラム

その5:悪魔の囁きが聞こえる…

ふと車内広告を見た管理人。

しれーっと書いてある文面を見ると…これって「値上げする」って事だよなぁ…と理解。

そこで「会社の休日」「ダイヤ改定前」「運賃改定前」「嫁の機嫌がいい」という条件がそろった2023年2月21日、久しぶりに大都市近郊区間大回り乗車の旅に行ってきました。

いまさら説明をするまでもない「大回り」ですが、私なりのコラムを添えてレポートしてみたいと思います。

冒頭…悪魔の囁き…と書きましたが、このいわゆる「大回り乗車」は「キセル乗車」とほぼ紙一重の乗車方法です。

多くの先達が色々なメディアでレポートされているので目にされる機会も多いと思いますが、ルールを守っていれば何ら問題の無い乗車方法です。

が、トラブル防止の為、私も同様に最低限「自作の行程表」を持参して旅をされる事をお勧めします。

行程表はメモ紙でもいいのですが、小さなシステム手帳を使うのがお勧めです。私が愛用している手帳も数十年前に100均で買ったものです。罫線の有るものが一般的ですが、無地のものを数ページ混ぜておくと、旅先で「駅スタンプ」を見付けた時に押す事が出来るのでおススメ。あと切符やカード、領収書を入れられるポケットと簡易計算機をセットにしておくと便利です。ぜひ貴方好みにカスタマイズしてみて下さい。

今回の旅の始まりは東淀川駅です。

理由は後に書きますが、この駅で買える一番安い切符は隣の「新大阪駅」までの130円の切符です。

ちなみに「IC乗車券」でもこの「大回り乗車」は出来るのですが、これも何らかのトラブルが起きた場合に不要な手間がかかるのでおススメしません。少なくとも…

「私は正当な切符を持っています」

という事を説明する為にも券売機で乗車券を購入しましょう。

編集の関係で時系列がズレていますが、上がこの日の切符。

5時15分に購入しています。

駅の自販機で買うペットボトルのコカコーラより安い切符で…

東淀川-京都-近江塩津-米原-草津-柘植-木津-奈良-天王寺-大阪‐新大阪…の旅が可能です。

もちろん…改札から外には出れません。

前述の様に東淀川駅のホームで甲種回送を見送った後、5:45発の京都行きに乗車。

各駅停車なので41分、38.3㎞の旅です。

当初雪は降っていませんでしたが、高槻を越えた辺りからちらほらと舞い始めました。

まもなく到着する西大路駅では1月に列車が長時間立ち往生するニュースがあったばかり。ふとイヤな予感がよぎりますが、京都から先の湖西線は「降雪上等」の頼もしい路線。とはいえ「万が一」も考えておかなければならないのが…

「大回り乗車のリスク」

です。

6:26 京都着。…ま、軟弱とはいえこの程度の降雪で乱れる東海道本線ではないのですが…

ここからはもちろん117系と戯れる事が目的の旅。奈良線ホームで205系を撮影したり、案外多くの往来がある貨物列車を撮影したりするうちに夜が明けてきました。

「大回り乗車」といっても駅構内を徘徊してはいけない…というルールは無いので、列車を「駅撮り」する場合、状況によっては「入場券」で駅に入るより、「大回り乗車ルール」を使った方が都合が良い場合もあります。

例えば撮影したい列車が朝、昼、夜に分散している場合などです。

6:54定刻…個性的な4つ目のヘッドライトを輝かせながら117系S01編成が京都駅にやってきました。

ここから折り返して7:00発の近江今津行きになります。

時間的には余裕が有るので117系をしっかり撮影したいという方は御覧の様に4番線ホームから撮影する事をお勧めします。

ここからだと画角も広くとれ、下回りもクリアに撮影出来ます。

もちろん他の乗客の迷惑にならないような配慮も必要です。

京都から山科を経て117系は湖西線を北上していきます。

「大回り乗車」のルールに「一筆書きでないとダメよ!」というのがありますので、いくら117系が好きだから…あるいは運用上そうなっているから…あるいは「どうせバレないから」…と…柘植からこの117系に乗り、京都まで行って折り返し、終点の近江塩津まで乗車をするとルール違反になります。

「山科駅を2度通過する」からですね。

貴方の中の悪魔が甘い囁きをするかもしれませんが、ちゃんとルールを守りましょう。

さて、前述の様に堅田駅か蓬莱駅でこのS01編成を捨て、近江今津で折り返してくるS01を撮影後、S02編成に乗車するつもりでしたが、下車した蓬莱駅の状況があまりに過酷だったので、折りしもやってきた113系のⅬ5編成に飛び乗ります。

このクハ113-5717のシートは懐かしのボックスシート。

背もたれ…垂直!直角!…クッション…カッチカチ!…

これはこれで旅情があってアリの列車選択ですが、個人的には転換クロスシートの方が好きです。

画像にあるようにJR西日本は23年3月18日に大阪駅地下ホームの開業に合わせてダイヤ改正を行う予定です。湖西線の運用が大きく変わるとは思いませんが、こればかりは判りません。

さて、近江舞子駅で117系S02編成と戯れた管理人。予定より8分遅れの新快速敦賀行きに乗車します。

「敦賀行き?」

JR西日本は恐ろしい事に毎時一本、姫路や網干発敦賀行きという超長距離快速列車を運転しています。

距離にしてなんと224.8km、兵庫、大阪、京都、滋賀、福井を駆け抜ける3時間の旅です。

青春18きっぷの販売期間内等に是非一度経験してみて下さい。


先程「降雪上等」と書きましたが、それでもJRもアホではないので、この日のようなコンディションの場合は対応策を用意していて、乗車した列車の行き先は確かに敦賀ですが、途中の近江今津で「車両交換」をします。

交換…は行き違いをする…という意味ではなく、近江今津-敦賀間に別の列車を仕立て、それに乗り換えるというものです。

こうすると降雪によるダイヤの乱れに対応しやすくなるので、湖西線、北陸本線では良く行われます。


なので、近江舞子で乗車した新快速「敦賀」行きは近江今津で運転を止め、隣のホームの近江今津発敦賀行きの新快速に乗り換えます。

乗換時間は僅か1分。

階段を駆け下り、駆け上がり、223系から223系へ…乗客にすれば迷惑な話ですが、それでも必要な車両交換です。

近江塩津駅は関西圏の大都市近郊区間の北端の駅。

「大都市近郊?」という言葉が霞む1日平均の乗降人数が200人前後という駅です。


ホームに降り立つと向い側に11:07発予定の米原経由姫路行きの223系新快速が停車していました。

稀有ですが…湖西線の駅から近江塩津を経て米原までの乗車をする方もおられるので、この駅では列車が連絡停車します。

一本の列車の遅れがすべての列車の遅れに波及するのはこうした連絡停車や優等列車の退避に関係するのですが、上記のような「車両交換」をするのはこうした状況に柔軟に対応する為の方法の一つです。


ちなみにこの近江塩津駅ですが…無人駅です。

何が言いたいかというと…本来はこの近江塩津駅を経由する大都市近郊区間の大回りはOKかNGか…結構グレーです。

なぜなら「有人駅では改札を出る事、無人駅では列車から降りる事」イコール「途中下車」です。

「大回り乗車」の場合、途中下車をしてはいけないので、本来はNG…アウトです。

おそらく…おそらくですが…

〇使用している車両に運賃箱が設置されていない事。

〇上記の様に近江塩津を経由して湖西線と北陸本線間を乗車する利用者がいる事。

〇本来の改札を出なくても列車を乗り継げる駅構造になっている事

〇JR側の厚意…あるいは面倒だから…特例?(どこにも書いてないけど…)

といった理由だと推測します。あくまで推測です。

等と言いながら、有難い「大回りの旅」は続きます。

これまた驚くべき事に近江塩津-米原間の北陸本線側では天候が一変します。

雪は積もってはいますが全く降っていません。

自然って…恐ろしいですね。

上記画像の様にそれでも3分遅れで走る新快速。車内はガラガラ…次の目的地の草津着は12:22予定。

この機会に持参したおにぎりを食します。

ところで…よく話題に出ますが…通勤電車で駅弁を食べる…って…どのレベルからOKでNGなのでしょうか…


が…

「この列車は米原で車両交換を行います…」

と、いう放送が…ま、予想していたんだけどね。


結局本来ならそのまま草津まで座って行けるはずの列車かから降ろされ、跨線橋を渡りまたまた車両交換を体験。

…もちろん223系…いったい何両持ってるんだろう?

恐ろしい事に草津には定刻12:22到着。12:57発の草津線普通列車を待ちます。

もちろんこのまま新快速に乗っていると山科、京都と、一度通った駅を通過する事になるので、草津線に乗る訳です。

やってきたのは113系のⅬ12編成。四両とも転換クロスシートに換装されている車両です。


「大回り乗車」の最大のリスクは…トラブルに弱い事です。

とても低い確率ですが、列車の運行が不可能となり、旅が続けられなくなった場合や来た経路を戻らなければならなくなった場合などです。

突然の土砂崩れで関西本線が不通になった…

先行列車が立ち往生し、戻らなければならなくなった…

「大回り乗車」の場合、こうした「不意」の出来事に救済措置は有りません。


経験上…湖西線は雪よりも風に弱く、関西本線は雨に弱いので、こうしたリスクと回避方法も少し頭の片隅に入れておいた方がよいでしょう。

さてさて、130円の切符を片手に握った旅…遂にディーゼルカーに乗る行程までやってきました。

管理人はこの「キハ120」が嫌いです。

特に加茂駅で6両編成の221系クロスシート車から単行、ロングシートの120系気動車に乗り換える瞬間は「鬱」でしかありません。過去にはキハ28/58系が運用されていたそうですが、私の記憶には全くありません。

しかも

乗り心地が悪い。

激烈に揺れます。

風光明媚な関西本線の旅。車両だけが不満です。

大河原駅を出たキハ120。

ここから笠置、加茂までの車窓が管理人のお気に入り。特にこの国道163号と並走する直線区間が良いですね。

で、先程キハ120がよく揺れる…と書きましたが、その理由もこうした画像から判ると思います。

別に携帯のカメラだから歪んで写っている訳ではなくて…本当に線路が左右に波打っているのです。

この車内でコンパクトカメラを首から下げた学ラン姿の高校生と出合います。

一人旅でしょうか?

前へ行ったり後ろへ行ったり、乗降ドアの窓から木津川を撮影したり…うーん…

微笑ましいと言えば微笑ましいし…迷惑と言えば迷惑だし…でも…まぁ…いいか。

40分の軽快気動車の旅は加茂まで。

ここから旅は一気に加速していきます。

先程の逆で、単行ロングシートの気動車からオール転換クロスシートの221系への乗り継ぎ。

しかも行先は奈良、天王寺を経由して大阪行まで行く「大和路快速」です。

快適!快適!思わず居眠りしてしまう程快適です。


加茂発14:43、大阪駅着は15:52です。

今回の旅程の場合、木津駅、奈良駅から先は多くの選択肢があります。

おそらく最長ルートとなるのは木津でこの大和路快速を捨て、片町線、おおさか東線、関西線、桜井線、和歌山線を経由して和歌山から阪和線で天王寺…でしょうか。

時間に余裕がある人ならそれも良いでしょう。


ただ、この日は「明るいうちに旅を終えたい」と思い、このまま大阪駅まで大和路快速に揺られる事にしました。

大阪駅は日々姿を変えつつあります。

「改札から出てはいけない」大回り乗車ですが、大阪駅の構内には大抵のものがあり、大抵のことが出来ます。

画像の様にホームを見下ろせる場所に休憩室もあり、行き交う列車を俯瞰で見ることも出来ます。

旅の目的地は次の新大阪。もう急ぐ理由もないのでのんびり時間を使います。

16:34新大阪駅着。

都合11時間の列車旅でした。


さて、改札を出ます。

もちろん…自動改札機を通ってはいけませんよ。皆の注目を浴びたいなら別ですが…

これから最も重要な事を書きます。


「大回り乗車はJRの厚意に甘えさせてもらっている」という事を忘れてはいけません。

当然の権利だと考えてはいけません。


130円で散々遊ばせてもらったJRに感謝の意を抱き、有人の改札口に赴きます。

本来なら数千円必要な経路の旅を初乗り運賃で乗せて頂いたのですから、必ず

「すみません、大回り乗車をしてきました。お願いします」

と述べ、旅程表を見せながら切符を手渡します。


この時…ですが…私の経験上大体3つのパターンがあります。

①「はい…どうぞー」と、サッ!と改札を通してくれる場合

②「え?どこ通ってきたの?どこ行ってきたの?」と質問してくる場合

③「え?なにそれ?ちょっと待って…」と困惑される場合

…です。

よくよく考えれば判りますが、これは対応してくれた駅員さんのスキルによります。

そして終着駅を新大阪にした理由もそこにあります。


例えば東淀川駅をゴールとした場合、恐らく駅員は一人だけでしょう。

しかもいろんな業務を兼務する方でしょう。

例えばその駅員さんが③の対応をした場合、どうでしょう。

「大回り乗車だよ!大都市近郊区間の!時刻表にも書いてあるだろ!そんな事も知らないのか!」

などと駅員を怒鳴りつけ、切符を押し付けて改札を通る…など言語道断です。


実はこの2月21日。

私はたまたま新大阪駅で③の対応をされました。開口一番…

「?…え?…大回り…えーっ…とぉ…」

その次の瞬間、奥から別の駅員の声が聞こえてきます。

「あ、いいから…そのまま受け取っておいて…」

と、

旅程表を確認する事も、足止めをされる事もなく改札を通してくれました。

そうしろ…とは言いませんが、ゴールは大規模な駅にするのが無難です。


老婆心ながら…

確かに「しても構わない」乗車方法ですが、ちゃんと予備知識を備え、感謝の念を持って旅を楽しんでくださいね。

最後に…上の画像は新大阪駅北端から携帯のカメラで撮影した東淀川駅。

直線距離で500m。

中央に見えるホームから京都行きに乗車したのが11時間前…ひぇぇぇ…


その4:青春18きっぷの旅は…

思うに…どこかへ旅行をする時「これにはしっかり予算を裂いて…その分ここは節約しよう…」と考えている時間というのはとてもは楽しい。

ある意味それにすべてが集約されているとも思う。

幼い頃、青春18きっぷの存在を知った管理人は、それ以来「時刻表」が愛読書になった。

「JR」の普通列車…という縛りが付くが…どこへでも行けるこの魔法の切符を強請り、次はどこへ行こうか、その次は…と考えている時間が好きだった。

それは当時は思いもつかなかった代償を伴う旅だった。

…代償…というのが正しいかどうか判らないが…すべての事象に表と裏があるように…良い面ばかりではないという表現が正しいだろうか。

今回はそんな「青春18きっぷの旅」をちょっと考えてみる事にした。

もちろん全て管理人の「個人の意見」として…

〇 大阪-東京の移動時間を考えてみる

あくまでも「だいたい…」だけど、朝9時発で…

新幹線で大阪から東京まで移動すると、到着は12時。予算は14520円。

これが青春18きっぷだと…到着は18時30分。予算は…12050円…?

?…と表記したのは、ご存じの様にこの切符は5回分がセットされている為。もちろん5人で使えば予算は2410円。

とりあえずここは5人で使用したとして…差額は12110円。

と、書くと、とてもお得な気がしますが…時間を考えれば…

「6時間30分」という時間の代償を支払って12110円…得をした事になります。

そしてもちろん「6時間30分」余計に体力を使っている事にもなります。

案外忘れがちですが、大阪から東京まで…ずーーっと座っての移動が保証されている訳ではありません。

要は…

「とても疲れるけれどもなんとか歩いて行ける目的地まで歩くか、タクシーに乗るか」

という判断をしている訳です。

〇 夜行バスと新幹線と青春18きっぷ

上の画像は大阪では有名な「プラザ駐車場」での一コマ。

先の大阪ー東京の移動を考える際、もう一つ候補に挙がってくるのが「高速バス」特に「夜行バス」です。

管理人も東京までの移動の場合、多くは「夜行バス」を使用します。

これにも「条件」が付きますが、「時間を一番上手に使えるから」です。

同様に午前9時に大阪を出発する場合を考えてみましょう。東京着は概ね18時30分です。

「…なんだ、たいして青春18きっぷと…」

と、考えがちですが、これは移動に必要な時間を比べた場合。旅行全般を広い視野で見るとどうでしょう。

たとえば「東京ディズニーリゾート」へ大阪からの旅。

「明日はアレに乗ってあれを見て…パレードは〇〇時だから…その前に食事を…」

と、あれこれ考えながら眠り、翌朝9時の新幹線に間に合う様に早起きをし、12時に到着…そこから移動…

…などというのが以前は一般的でしたが…夜行バスならどうでしょう。

そもそも前日の22時にバスに乗ってしまい…車中で翌日の予定をあれやこれやと思案…到着は朝の7時30分。

新幹線に乗り遅れまい…とあたふたしている頃には入場ゲートの列に並んでいるわけです。

この旅を同様に「青春18きっぷで…」…など、恐らく考えないのですが…考えてみると…

なんとか19時30分に入場したとして…21時まで1時間30分滞在して…

いやいや…その日は格安ホテルに泊まって…翌日改めてディスニーリゾートに…

〇 快速「ムーンライト」と青春18きっぷ

当然の話…なのですが、青春18きっぷというのは快速「ムーンライト〇〇」とセットにする事で初めて実力を発揮する切符だと言えるわけです。

以前は大阪から西への「ムーンライト〇〇」もありました。

特急型車両を使用した「ムーンライト〇〇」は居住性も良いものでした。

「青春18きっぷでお得な旅…」という発想をするなら、これらの夜行快速…または過去に見られた夜行の長距離鈍行列車あってこそ。と言えます。

ただ前述の様に「1日分2410円」という訳にはいかず、日付が変わる駅までの運賃あるいは切符2日分+指定席料金が必要になりますが…

〇 何人で行くの?

…これも考えなければなりません。

言うまでもなく5回分がワンセットで12050円。

残った4回分を誰かが9640円で引き取ってくれたとして…初めて「1日2410円で乗り放題」という切符になります。

一般的には2人で6020円、同様に3人なら4017円、4人で3013円で折半し、余りをチケット買取店で売り、それをまた均等に返金するか、誰かが前述の様に引き取るかという選択をする事になります。

JR側にすれば「残った分を買い戻す…」必要のない切符です。「空気しか運んでいないような…」路線でも時刻通り列車を走らさなければいけないので、多少フリー切符の乗客が増えたとて…

「どうぞどうぞ…座席は空いてますよ…でも迷惑乗車は勘弁ね」

といったところでしょう。

仲間との旅は楽しいもの。

要は青春18きっぷは旅費を浮かせる手段であって…

「青春18きっぷでどれだけお得な旅をするか…」という思考は本末転倒?

という事なのでしょうか。

〇 目的地が先…の旅。

同様に大阪駅を起点として…青春18きっぷ1回分2410円で得をする?のはどこから先か…というのは多くの先達がデータを上げて頂いています。この文章を書いている時点では…

東海道本線なら野洲駅、山陽本線なら加古川駅。

北なら湖西線の和邇、福知山線の下滝。

南なら紀勢線の紀伊中ノ島駅あたりでしょうか。

これを見れば、今までの話が全て覆るほど、青春18きっぷが格安の切符である事が判ります。

…大阪からだと…和歌山駅まで往復するだけで元が取れるわけで…JRがこの切符を通年販売しない理由もこの辺にありそうですね。

で、和歌山駅…を考える時、ふと頭に浮かぶのが「大都市近郊区間大回り乗車」の存在です。

言うまでもなく…改札を出ない限りは…大都市近郊区間内なら一筆書きで大回り乗車をしても最短経路で計算するルールの事です。和歌山線ホームに無人の中間改札が出来、大回り乗車時に不便が…という話題が以前ありましたが、「列車にお徳に乗る…」という意味なら青春18きっぷより断然こちらの方が「得」です。そもそもペットボトル飲料一本分の出費ですから。

…じゃ?なにが違う?…途中下車出来ない事ですよね。

大回り乗車だと有人駅なら改札を、無人駅なら列車自体から降りることが出来ません。

つまり、青春18きっぷは目的地を訪れる事が目的であって、「得」をする事はおまけという事です。

〇 青春18きっぷの「長所」は…

結論として…青春18きっぷはJRでいう「とくとく切符」がカバーしない地域を旅する、あるいは「とくとく切符」を使う程でもない地域を旅する時の切符という事です。

例えば大阪駅を起点とするなら…

大阪駅を5:55に出て8:55亀山、17:04新宮を経て24:06に大阪に帰ってくるという紀伊半島一周の旅が考えられます。

これは距離的には「お得」ですが、全くマニア向けの過酷な鈍行旅です。こんな旅程に…素人の彼女を誘うでしょうか?

白浜のワールドサファリならどうでしょう。

少し現実的ではありませんが5:12発で10:58白浜着です。

それでも早朝すぎますよね。

ならば特急を利用しましょう。7:40発で10:10着 9:04発で11時37着。

これは次の青春18きっぷが使える4月には大阪駅のうめきたホームが開業し、くろしおが停車するようになるからです。

一般的な指定席特急料金で計算すると片道5570円、往復しますから…

少し青春18きっぷを使っても良い気がしてきましたね。

じゃあ…

じゃぁ…海南駅からバスで15分のポルトヨーロッパではどうでしょう。

この旅程、特急くろしおを利用すると…

7:40発で8:57着。指定席特急料金が1720円X往復…つまり運賃込み往復6480円。

特急を利用しない場合は7:44発で9:48着。 料金は片道1520円 往復3040円。

青春18きっぷなら…もちろん往復で2410円。

こうなれば特急列車を使用しない限り、青春18きっぷを使わない理由は無くなり、使ったとしても得られるのは片道1時間という「時間」と「指定席での快適な旅程」…これに差額4020円を払いますか?どうですか?という事ですね。

〇 何度考えても…

「ムーンライト〇〇」が運転されなくなって久しい昨今。

何度考えても、青春18きっぷの特徴は「安い」「お得」な事ではなくて…

特急列車で行かなければならない目的地ではなく、夜行バスを使わなければならない程時間に追われているわけでもなく、適当な「とくとく切符」が発売されていない地域を訪れる時にこそ使うべきものだと思います。

すべて個人の見解です。

青春18きっぷでどこまで行けるか…という旅を楽しまれる先達を私は否定しません。


その3:備後落合駅

年末…地元で「鉄路の果て…鉄道150年の向こう」という番組が放送されました。

番組は元国鉄職員で現在「備後落合」駅のボランティアガイドをされている方の

「風情があるでしょ?」

という言葉で始まります。

番組の内容に感銘を受けた管理人。

HDDに残る画像と共に…少しローカル線の話を書きたいと思います。

上の画像は2010年11月の備後落合駅の時刻表。

翌日のキハ58-563+キハ28-2329を使用した「みまさかスローライフ列車」に乗る為、中国山地を訪れた時のものです。

時刻は多少変わっていますが、芸備線の列車本数が減った以外はあまり変化の無いダイヤ構成です。

冷たい言い方ですが、駅として…鉄道としては…「終わっている」状況です。

「風情があるでしょ?」

の言葉通り、往時を偲ぶのに十分な風情のある駅です。

開業時は跨線橋もあったそうですが、現在は二つのホーム間には構内踏切が一つあるだけです。

ホーム上屋の骨組みは古レール。屋根裏は板張りです。

古き良き鉄道風景が残る駅です。

当時は蒸気機関車の時代。

三方向からやって来る列車の給水、給炭や機まわし、方向転換の為の施設を持つこの駅の敷地は広く、立派な駅です。

接続する木次線には「奥出雲おろち号」が運転されていて…観光客でにぎわう…というのが正しいのかどうなのか…

「風を感じるトロッコ列車で日本神話の地へ…乗り応えたっぷり」という言葉がJR西日本のホームページでは踊っていますが、巷では今年の運行が最後になるのではないかと囁かれています。

あくまでも「…と、言われている」前提ですが、奥出雲おろち号の後継となる観光列車「あめつち」は出雲横田止まりで…備後落合には姿を見せない様子…

地方ローカル線の存続について…鉄道150年…いろいろ考えるのに良い機会かと思います。

上の画像はホームから望む西側の風景。ずらりと出発信号機が並びますが、殆ど青く光る事はありません。

左手に見えるのが芸備線。右手に姿を消していくのが木次線です。

JR西日本の経営者からみればどうでしょう。

あくまでもウィキペディアの情報ですが…木次線…この先の…

油木駅…1-2人

三井野原駅…1-4人

出雲坂根駅…1-2人

八川駅…0-1人

という、一日平均乗車人数。

備後落合駅自体も40人を超えない乗客数を捌くために、鉄道が必要か?という疑問は当然出てしまいます。

「いや…それでも乗降客はいるから…」

「鉄道は必要な公共交通手段だから…」

「…無くなったら…困る人がいるから…」

…つまり…無くなると困る人の為、JR西日本…というか、どこの鉄道会社もそうだと思いますが…莫大な赤字を生む鉄道路線を維持し続けている訳です。

JR西日本発表の2017-2019の営業係数だと…

芸備線の東城‐備後落合間が25416でワースト1

同、備後庄原備後落合間が4127でワースト4

木次線の出雲横田‐梵語落合間が6596でワースト2

いわずもがな…

100円稼ぐのにいくら出費してるんだか…

こうなるともうローカル線の経営は大企業にしか出来ない「慈善事業」に思えてきます。

こうした話は必ずある一定の方向の答えを導きます。

「みんなで列車に乗って存続を…」

です。

これはとても良い解決策の一つです。

国有鉄道だった芸備線、木次線ですが、現在は民間企業が経営しているのですから…経営可能ならば存続するのです。

でも…

私も一応鉄道ファンの端くれのさらに端くれのそのまた端くれの1人ですが…そんな私でも判るのです。

ごく一部の例外を除いて…それは「焼け石に水」だという事が。

そして思うのです。

そしてそれが私の解決案なのですが

「…バスでいいじゃん」

って。

現在でも天候不順な状態になれば「代行バス」が運転されているのです。

「バス」ではダメなのでしょうか?

JR西日本ではなく市町村が運営するコミュニティバスではダメなのでしょうか。

むしろその方が住民へのサービスは良くなるのではないでしょうか?

ハイエースサイズのコミューター一台と運転手を用意し、自家用自動車を持たない人や高齢者からの電話連絡に応じて必要な場所へ迎えに行き必要な場所に送り届け、その代金を受け取る…

これって、誰かが言う「鉄道がなくなる事で地域が廃れる、住民へのサービスが低下する」って事なのでしょうか?

上の画像は2010年11月同日の隣駅、木次線の油木駅です。

駅舎は無く、かつてあっただろう線路は剥され、島式ホームの片側にしかレールは残っていません。

現在もさして変わらぬ状態で駅は存在しているようですが、始発は8時51分の備後落合行き。

やってくる列車は上下合わせて6本。

16時46分を最後に備後落合へ至る列車は無く、17時56分の宍道行きが最終列車となります。

冒頭のテレビ番組は

「風情があるでしょ?」

の言葉に始まり…テロップと共に発せられる

「芸備線の死を見届けんと…私が先に逝くわけにはいかんと…」

というとても切ない言葉でエンディングを迎えます。


その2:今庄杉津線を歩く 旧北陸本線の旅 

そう遠くない未来に、北陸新幹線が金沢から福井を経て敦賀までやってくる。

便利になる反面、昔の不便だったことが懐かしく思える事もある。

現北陸トンネルが完成する以前、北陸本線は右に左にとうねりながら今庄から敦賀まで線路が敷かれていた。

その跡地は今庄杉津線という県道207号線に姿を変え、舗装された道路になっている。

センターラインの有る道路に歩道は無いが、もちろんここを歩いて散策する事も出来る。

ここは南今庄駅から杉津まで、多くの鉄道遺構が残る管理人屈指のハイキングコースとしてお勧めである。

が、南今庄駅から西に延びる剣道は北陸自動車道を潜る辺りまではあまり趣の無い普通の道路が続く。

が、突然左手に「大桐駅跡」という記念碑が見えてくる。

撮影当時は無かったが、現在は大桐駅の様子を解説した案内板も設置されている。

さらに進むと集落が無くなり、道路のセンターラインも無くなり、県道は誰が見ても「線路跡」だと判るような左への上りカーブを描く道になっていく。

さらにダラダラ…と続く緩やかな登り道を行くと目の前に趣のあるスノーシェッドが見えてくる。

もちろん歩いて潜ることが出来るので、当時に想いを馳せながらハイキングを続ける。

南今庄駅からの旅の場合。一番初めに姿を見せるトンネルが旧山中信号所の南西にある山中トンネル。

手前の少しスペースがある場所が信号所跡で右手後ろ側と左手前側に引き上げ線の路盤跡が残っている。

色の抜けたイギリス組のレンガ製のトンネルポータルが印象的。

トンネル自体は結構長く、車の往来もあるので注意が必要だが、歩くことは可能。但し車一台分プラスアルファの幅しかない。

次に見えてくるのが伊良谷トンネル。

ここは山中トンネㇽのような真っ直ぐなトンネルではなく、今庄側が曲線になっていて見通しが悪いため、入り口に自動車をコントロールする為の信号機が設置されています。雪深い場所らしい、赤、黄、青とタテに並ぶ信号機ですね。

その後、芦谷トンネルを抜けると…

今庄杉津線は北を向き、右手に敦賀湾が見渡せるようになります。

次は曲谷トンネルです。

ここは入り口がカーブしているのですが、信号機がありません。

その後もトンネルが続きます。

第二観音寺トンネル

第一観音寺トンネルを抜けると…

漸く開けた場所に出てきます。

画像の中央上を左右に走っている道路が北陸自動車道です。

この後旧北陸本線の廃線跡は北陸自動車道と交わり、東側に位置を取る為、景色は単調になってしまいます。

故に廃線跡を辿るのを止め、引き返すか、つづら折りになる県道207号線に沿って国道8号線の杉津の交差点まで降りる方法もあります。ここまで降りてくると2時間に一本程度ですが敦賀駅に至るコミュニティバスがあります。

趣…という意味では、枕木や鉄橋などがそのまま残る未整備の廃線跡の方が良いのかもしれませんが、個人的にはやはり一度はこの杉津からの敦賀湾を見て欲しいなぁと思うのです。


その1:関西圏の快速事情について

同じ料金ならより快適な方がいい。

特に通勤や通学に使用する「普通の電車」なら尚更そう思う。

が、もちろん「座れる」事が前提になる。

座れない…着席できないならロングシートの車両も転換クロスシートの車両も大差ない。

むしろ立つ空間が多い分、ロングシート車の方が乗り心地が良い…という現象も起きる。

関西人の管理人にとっては当たり前に思える事だけど、関西圏には特別な料金を払わなくても快適な列車旅を楽しめる「転換クロスシート」を装備した列車が多数往来している。

これは申し訳ないが他の地域の方々に誇れる事だと思っている。

そしてそれが「関西は私鉄王国ゆえ…」という事も有名な話である。

パイオニアは阪急や京阪、近鉄、南海と言った私鉄車両だけど、遅まきながら国鉄もキハ66系気動車や117系を配置し始めた頃から「転換クロスシート」装備の車両が増え始めた。

20m級の車体に「転換クロスシート」がずらー---っと並ぶ光景は壮観で…

「とにかく窓際の良い席に座りたい!」

という一心で、車両に乗り込むや否や通路を駆け、荷物を置いて席取りをした思い出が懐かしい。

が…

華々しくデビューした117系は早々に「新快速」という花形の仕事から撤退していく。

多くの鉄道フリークは御存じだと思うが…乗る方は「嬉しい」けど、使う方はあまり「嬉しくない」列車だったのいうのが理由。

つまり

「2扉車で通路が狭く、混雑時に乗客を捌けない」列車だった為。

そもそも117系やキハ66系は158/165系やキハ28/58系の二扉ボックスシートの車両を代替えする目的だったけど、3扉車にして乗客を捌く…という発想は無かったのかな?と思う時がある。

あるいは名車221/223系が生まれる為に…117系は必要な列車だったのかもしれない。

閑散とした地方路線ならいざ知らず、前から後ろまで通路がミッチミチに人で溢れる京阪神の大動脈に117系のような2扉の車両を放り込むと、乗降客を捌くための停車時間が伸び、自慢の「定時運行」に支障をきたす事は乗降デッキのある国鉄急行型の158/165系を新快速に投入してきた時点で気付いただろうに…

それが証拠にJR東日本でも同様に鳴り物入りで登場した2扉オールダブルデッカーの215系を後々持て余す事になる。

とはいえ、例えば「阪急京都線」の6300系や京阪の3000系に対抗する為にはどうしても2扉転換クロスシート…である必要があったのかもしれない。

ここで話を京阪の現8000系に変えてみる。

結果的に阪急急も遂に京都線の特急運用から2扉の6300系を引き揚げてしまったけど、京阪は依然2扉、しかも特別料金不要のダブルデッカー車両まで組み込んでいる。

つまり「JR(国鉄)」「阪急」「京阪」を比較する事で京阪はなぜ2扉特急車両を未だに運用できるのかが紐解ける。

要は「点と点」を繋ぐ鉄道だったのか、「点と点と点と点」を結ぶ鉄道だったのかの違いである。

「京阪」の特急列車の目的は単純明快である。

「大阪の乗客を京都に…京都の乗客を大阪に…」快適に運ぶのである。「淀屋橋」や「三条」などは末端のターミナルなのでそもそも停車時間に余裕がある。途中「枚方市」という主要駅に停車するが、特急を「大阪ー枚方市」「枚方市ー京都」間の移動に選択する乗客は多くない。そもそも着席できる可能性が少ないので「枚方市」からの乗客はさほど停車駅の変わらない「快速急行」や「急行」に分散する。

これが「阪急」だと少し状況が変わる。

同様に「大阪の乗客を京都に…」運んではいるが、途中「茨木市」「高槻市」という主要駅で乗客を拾う。また千里線と地下鉄堺筋線との乗換駅「淡路」や宝塚線、神戸線への乗り換え駅の役を担う「十三」にも特急は停車する。むしろ阪急は「大阪ー茨木・高槻」間の通勤利用者に重きを置いている節があり、一部の「快速特急」を除けば、停車駅が7駅と、京阪より少ないのに3扉車両を主に使っている。

JRの新快速…になれば…尚更で…「三宮」「大阪」「新大阪」「高槻」「京都」+αの駅はすべて末端駅ではなく、「途中…停まります駅は…」である。

おそらく…

本音を言えば…

経営側にすればJR東日本の様に211系やE233系のようなロングシート主体の3扉、4扉車両が欲しかったのではないかと思う。そして指定席グリーン車を増結する…という選択肢もあったかもしれない。

が…こんな話もある。

「通勤電車に乗り心地は不要…座席指定券を買うお金があれば、着いた駅でコーヒーを飲む…」

というのが、関西人の本音だともいわれる。

そんな関西の新快速にも遂に「A-シート」なる普通車指定席車が組み込まれだした。リクライニングシートでしかも指定席なので最高に快適。でもJR東日本のようにほぼすべての列車に組み込まれている訳ではなく、むしろ編成されていない列車が殆どなのでまだまだ「様子を見て…」といったところかな?

こうした悩みを一気に解消してくれたのが…

221系…しかも、元々は5200系という近鉄の3扉転換クロスシート車の兄弟分…というのがなかなかオツなエピソード付。

近鉄とJRは「大阪ー奈良」間の都市間移動で競合しますが…まぁ…全く勝負にならない程の差を付けられている為でしょうか、近畿車両が「敵に塩を送る…」みたいな感じで彼を生み出してくれました。

後の223/225系の進化がすごすぎるので、あまり取り上げられる事の無い223系ですが、もっと値打ちのある車両だと思うのですがね…

さて、もう少し先の話になるけど…

北陸新幹線が延伸すると「サンダーバード」や「しらさぎ」に使用している681/683系が大量に余ってくるので、以前のような「ホームライナー」で使ってほしいなぁ…「ムーンライト」で使ってほしいなぁ…なんてのは…ダメかなぁ?