管理人の長編コラム その8
漆黒の村正と桑名と眺憩楼
会社の決算も無事に済んだ5月の頭、なかなか訪れる事が出来なかった桑名総社の「眺憩楼」へ行ってきました。
桑名総社の眺憩楼という一文でお気づきの方もおられると思います。三重県桑名市にあるこの施設内には桑名総社に奉納された太刀「村正の写し」が展示してあります。
「写し」というのはいわばクローンで、指定文化財となっていてお気楽に「どうぞ見て下さい」という訳に行かない一振りを常設展示し、「村正」の歴史や文化や伝統を感じる為の手段の一つです。
門外漢の私が書くのは差し出がましいのですが、これは
桑名総鎮守 桑名宗社(春日神社)への「宝刀村正写し」奉納プロジェクト
という名で行われた2020年のクラウドファンディングによるもので、400万円の目標に対し、支援者1144人、1812万円強の支援金が集まったそうです。
解説書によりますと、眺憩楼は「船津屋」という料理旅館を昭和35年に移築したものらしいです。
靴を脱ぎ、中に入ると閉じられた襖の前に円座が置いてあります。
脇に「心得」が記されていて、それに従い襖を開けます。
「いいんですか?」
「写し…だから大丈夫ですよ」
という説明を頂き、携帯で撮影させて頂いたのが上の写真です。
さて、そもそもの話をします。
管理人は決して右寄りの人でもその関係者でもありませんが、「武器」と言われるモノの持つ美しさに魅かれる人です。
そんな管理人がある日、NHKの番組でこの一振りの存在を知ります。
漆黒の村正 よみがえる名刀
と、銘打たれた番組で紹介されたのが桑名総社に奉納されている「村正」です。
確か桑名総社には「村正」が二振り、「正重」が二振りあったと思います。番組によるとそれらは錆と戦災を逃れるため、刀身に漆が塗られ、さしずめ漆黒の刃を持った妖刀の姿をしていたそうです。
そんな日本刀を本来の姿に戻すべく始まったのが今も続くクラウドファンディングのプロジェクトで、中心となる宮司、不破義人さんとは、総社を訪れれば会う事が出来ます。
写しの刀身には奉納刀らしいタガネで彫られた春日大明神の文字があります。地図などでは春日総社は春日神社と表記されれる事が有りますが、ウィキペディアによると桑名総社というのが正式名称の様です。
「折れず曲がらず…の硬い刀身にどうやって文字を刻むのですか」と、質問した事が有るのですが、焼きが入っていない鎬から棟にかけての部分は案外柔らかく…
「焼きが入っていない部分に焼きが入ったタガネで彫っています」という事なのだそうです。
茎には正確に写された…
勢州桑名郡益田庄藤原朝臣村正作
という銘が切ってあります。
これはそのままの意味で桑名の益田庄の住人、藤原村正が作りました…と読み取るのが正しいのでしょうか。鈨には上がり藤の家紋もあります。世間的には「ムラマサ」とか「センコムラマサ」と呼ばれたりしますが、「フジワラのムラマサさん」と呼ぶのが正しいのでしょうかネ。
同、切先部分です。
管理人の長編コラム その7
2023年9月の下津井電鉄
生きていると色々後悔する事ばかりなのですが、私にとって一番心残りなのが下津井電鉄です。
それは1990年に間違いは無いのですが…そう、幼かったのでほとんど記憶が無いのです。
瀬戸大橋が開通し、あおりを食らった形で下津井電鉄が廃止となる…という事で、児島から下津井電鉄に乗り、フェリーで丸亀に渡り、高松から瀬戸大橋を渡って帰阪したはずです。覚えているのはフェリーの中でお菓子を食べている光景だけで…なんとも…
そんなわけで、今年の夏の青春18切符の最後の一枚を使って、下津井電鉄の廃線跡への旅に行ってきました。
今回の旅の御伴は電動アシスト自転車です。
これはJR児島駅西側にある倉敷市児島産業振興センターでお借りしました。550円です。
児島から下津井までは6.3㎞なので、歩いても良いのですが…ま、ここは文明の利器をお借りする事にしましょう。
茶屋町駅から児島駅間が廃止になって以降はこの「パチンコ屋みたいな駅」が使われていました。この駅のホームから下津井電鉄に乗った筈なのですが、全く思い出せません。悔しいです。
廃止後、おそらく不要なものは撤去され、遊歩道として整備される過程で意匠は相当変わってしまっていると思いますが、こんな感じの駅だったんですね。
上屋外まで伸びる駅西側のホーム先端のスロープから遊歩道、通称「風の道」に乗り入れることが出来ます。
駅名標は古いものですが、私には当時からあるものかどうかの判断は出来かねます。
ハト除けでしょうか、グリーンのネットが何となく痛々しいのですが…
ちなみにホーム東側には下津井電鉄バスの児島営業所があり、カラフルなバスたちを撮影することも出来ます。
遊歩道「風の道」は美しく管理されていて、何の問題も無くサイクリングを楽しむことが出来ます。
赤茶けた架線柱も残されていて、その他僅かですが当時の遺構も見つけることが出来ます。
ふっと見上げるといまや「ブラジリアンパーク」に豹変した鷲羽山ハイランドの観覧車が見えます。
旅程6.3㎞とはいえ、あの観覧車の向こう側までの旅ですから、やはりレンタサイクルをお勧めします。
一つ目の駅、備前赤崎までは1.1㎞です。
児島駅が一線頭端式だからか、この駅では列車交換可能な構造になっていたようです。
ウィキペディア等の情報によると画像左側の下津井行き1番乗り場に駅本屋と貨物側線が有ったそうです。
駅名標向い側の少し広くなっている所がそうかなぁ?
石組みのホームは当時の物でしょうか、新たに整備された物でしょうか、少し判断しずらい状況です。
散歩されている方が休憩できるよう、ホーム跡を使ってベンチが組まれていました。
個人的にはホーム上にもっとベンチベンチした形のものをご所望ですが、これはこれで有難いですね。観光案内標もしっかり並んで設置されています
さて、備前赤崎駅から南進を続けると、この風の道は片側2車線の国道430号線に遮られてしまいます。
ここは横断できないので東側か西側の交差点まで移動して迂回する必要があります。目の前に廃線跡はあるのですが、無理に横断するのは危険この上ないので、交通ルールを守って若干の遠回りを楽しみましょう。
国道430号線を渡り、さらに児島インターチェンジから国道430号線に至る片側2車線の道路を超えると風の道は東に向きを変えます。小さいですがちゃんと案内標識はあるので、見逃さなければ大丈夫です。
ここからまた南に進路が変わる辺りに有るのが二つ目の阿津駅です。駅間は500mしかないのですが、遠回りをした分、なんだか結構な距離を移動した気がしてしまいます
阿津駅を出て450m。
倉敷シティ病院の東側にはこんな素敵な並木道が整備されています。
路面も舗装されているので軽快!軽快!
風の道を左、右にと曲がり、JR瀬戸大橋線を潜ると、視界が開け、海と児島ボートレース場が見えてきます。
しかし、この日も曇天。
またまた曇天。
天気には勝てませんが、どうせなら青空の下をサイクリングしたかったなぁ。
で、このボートレース場を過ぎると姿を現すのが琴海駅。
見た目にとても広い敷地を持つ駅で、島式の1番、2番ホームの遺構が残っています。
ウィキペディア等の情報によると右側にもう一つホームがあって、左手側の広い敷地部分に駅舎が有ったそうです。
駅…と言うのは普通乗り降りが便利なところに作るものですが、この駅は鷲羽山を迂回すべく登ってきた坂路の途中にあるので、麓の大畠地区や大畠港からは結構な高度差があります。それでも瀬戸大橋線が開通するまでは重要な交通手段であったことは間違いないと思います。
結果として山肌をぐるりと遠回しながら高度を上げてきた遊歩道「風の道」
ここからは風光明媚な景色がチラホラ見え始め、旅のクライマックスを予感させてくれます。
再び瀬戸大橋に至る高速道路を潜ると、鷲羽山駅に到着。
ココにはトイレが整備されています。
風光明媚な場所にある駅ですが、肝心の瀬戸大橋はもう少し西に移動したところの方がよく見えます。
ホームは一線一面。曲線上にある駅で山肌に這うような場所にあります。
肝心の鷲羽山の展望台は谷を一つ越えた南東側、鷲羽山ハイランドは一つ西の東下津井駅の方が最寄です。
この辺りからの瀬戸大橋の眺望がいちばんそれらしくて良いと思います。
肝心のJR瀬戸大橋線はこの辺りは山の中をトンネルで抜けているので見えませんが、瀬戸大橋に躍り出た瞬間に心地よい走行音を響かせてくれます。撮影には向きませんが
そしてこの鷲羽山駅を境に、下津井電鉄の廃線跡は急激に高度を下げていきます。
坂道を軽快に飛ばして走っていると、迂闊に見逃してしまいそうな場所に東下津井駅があります。
夏草に埋もれ、もはやどこがホームなのか判りませんが…
下草を靴で少し慣らすとホームが見えてきます。
駅舎も何もなくなってしまっていますが、このホームの石組みは当時の物ではないかと思われます。
ちなみにここまでの遊歩道「風の道」は結構丁寧に管理されているのですが、ここから先は少し状況が変わります。
鷲羽山駅からここまでは500mしかないのですが、終点となる下津井駅までは2㎞の行程となります。
東下津井駅を出てさらに下っていくと正面に「バブルの遺産」が見えてきます。
ある意味これを見る為にこの地を訪れるのもアリだと思います。
これはホテル「ラ・レインボー」の跡地。
正面に見える富士急ハイランドのレッドタワーみたいな塔は150mの高さがある昇降式展望台の遺構。
ご興味のある方は調べてみて下さい。
駅間距離が最長となる東下津井から下津井までは保守管理が行き届かない部分が有るようで、路面状態も悪くなります。
調子に乗って自転車を走らせていると蜘蛛の巣の攻撃を顔面に受けてしまいました。
さらに下っていきます。
廃線跡は殆どが切り通しの中を通り、大きな弧を描きながら高度を下げていきます。
そして…
最後の陸橋を潜ると下津井駅跡が見えてきます。
電動アシスト自転車に感謝!感謝!
直ぐに駅の遺構を見に行くのも良いですが、先に隣接する資料館を訪れる事をお勧めします。
展示物は多くありませんが、展示されている写真と今まで走って来た廃線跡を対比するだけでも十分当時を偲ぶことが出来ます。
有志によって運営されている為、施設へのの入場は無料なのですが、是非入り口の記念入場券を購入して僅かながらの協力をして帰りましょう。
こんな感じの入場券をゲット出来ます。お土産にも丁度いいですね。
さて、では今回の旅の目的を果たしましょう。
幼い頃、記憶の片隅にあった下津井電鉄の旅。私は間違いなくこの駅で下車して、下津井港からフェリーに乗って丸亀港まで行ったはずです。
資料館に残る当時の構内図を参考に当時を振り返りました。
北側から撮影した2023年9月現在の下津井駅です。
1990年当時は列車本数も少なかったと思われますので、私はこの左側にある一番線から駅舎を抜けて下津井港まで移動したと思われます。
今でこそ、携帯電話で気軽に写真が撮れますが…
今思えば「記録に残す」という事はとても重要な事なのですね。
同、駅を南側から撮影したものです。
駅配置図を見ると、左側のホームは対向式に見えますが左側にも線路の有る島式になっているようです。
さらに左の留置線は4線、2線と広がっていた様子です。
この日、柵の向こうの留置線に止まっていた車両の一両。モハ1001。
一時期「落書きが出来る電車」として有名だった「赤いクレパス号」に使用されていた車両。
有志によってとてもきれいに再塗装されています。保存会の活動状況などはウェブで調べることが出来ます。
詳細は以下の下津井みなと電車保存会のホームページから。
バス窓のモハ1001に対して上昇窓を持つモハ103。
当時私が乗車したのはおそらくこの車両。
うろ覚えですが緑色で2つ目ライトだった記憶があるからです。現在はオレンジと白のツートンですが、当時はフジカラー号という名の現代で言うラッピング車だったので、多分この車両です。
次に上屋の無い2線の留置線側に止まっていたのが両側にデッキが有るクハ5と書かれた車両。
足回りがとってもクラシック。クハ…なのだから、制御機器は付いているのかな?
そしてホジ3というバス窓の車両。床下にエンジンらしきものが見えるので多分ディーゼル車
あと、下津井駅のホーム側からは車両が邪魔で見えにくいのですが、駅南側にある港湾関係の駐車場から駅構内を覗くとメリーベル号が確認できます。
真っ赤な車体にオープンデッキ。
画期的なデザインの車両だったんですけどね。
あと、ほんのちょっとだけですけど、メリーベルの向こう側に貨車がチラリと見えます。
思うに「瀬戸大橋」の開業という日本にとっての一大プロジェクトは…
「便利の代償」を考える良い機会だったと思うのですが…
なんだかんだ言っている間に北陸新幹線が「敦賀」までやってきます。
私達関西人の誇りだった北陸本線も僅か45.9㎞ 。特急サンダーバードも交流区間を走らなくなり、交直流両用車両が要らない時代がやってきます。
鳴り物入りの北陸新幹線ですが、その全線開業は果たして何をもたらしてくれるのでしょうね。そしてその陰で何が消えていくのでしょうか。
管理人の長編コラム その6
管理人が思う2023年度版 青春18きっぷで乗れる普通列車
好み…は、人それぞれなので…決して断定する訳ではないのですが…
東京ー大阪間を青春18きっぷを利用して旅をする場合、是非旅程に加えたい列車がいくつか存在します。
今回のコラムはそんな普通の列車の話。
もちろん別途料金を払えば乗車出来る373系のホームライナーや、その運用に伴う373系の短距離普通列車もありますが
2023年現在、管理人が一番乗り得だと…一番乗りたいな…と思う車両の筆頭は…
JR東海が運用するこの313系8000番台車です。
とはいえ…関西人の管理人…地元の韋駄天、225系を推挙したいところですが…乗り心地という判断材料を加味すると、やはり313系の8000番台という事になると思います。
経験された方も多いと思うのですが、東京ー大阪間の「普通列車の旅」には二つの難関が存在します。
一つは熱海ー浜松間のいわゆる「ロングシート祭り」区間と、大垣駅、米原駅での「席取り合戦」です。
特に延々と短編成のつまらないロングシートの車両に揺られる事が殆どの熱海-浜松間をどう攻略(?)するかは結構重要なポイントになります。
時には…
こっちのさらにつまらないロングシート車に揺られる旅を強いられることもあり…
この313系8000番台車に当たった時の嬉しさは言葉に表せません。
去年、神領車両区から静岡車両区に転属してきたこの8000番台車。
大量に生産された313系の中でもS1編成からS6編成までの3両編成x6本しか存在しないレアな車両。
中央本線の名古屋口で「セントラルライナー」として運用されていた車両故、なによりシートピッチが広く、シートもふかふかで、その殆どが進行方向に合わせて転換できるのが最大の特徴。故に構造上必ずどこかに「対面する席」が出来てしまう225系とは車格が違うのです。また車端には簡易テーブルが付いた席があったり、窓にはカーテンが付いていたり…
先頭車最前列の席に座っても上の画像の様に前面展望が可能だったり…と、大変ありがたい列車です。
この日私が乗車したのは906熱海発の島田行き429M列車。
熱海駅でそれまで乗ってきたE231から乗り換えた時点では気付かなかったのですが、上の写真の様に静岡寄り三両が8000番台でした。
ネットに情報が溢れている時代、この6編成を狙い撃ちして乗車するのは大変ですが、熱海から島田までの1時間50分を硬いロングシートの揺られるか、快適なクロスシートに揺られるかは相当な違いがあります。調べる価値はあると思います。
そして…
それ以上に「乗るべき車両」は…これ…
…だと思うのですが…JRの車両じゃないから…ダメですか?
こちらは373系や313系8000番台より明らかに狙い撃ちしやすい列車。伊豆急のホームページに運用が明記されています。
特にお勧めなのは1527熱海発伊東行の1653Ⅿのキンメ列車に乗り、伊豆急下田からやってくる1553伊東発の5656Ⅿの黒船列車で熱海に帰ってくるルート。
往復50分の贅沢な寄り道。
まさに極悪の…いや…青春18きっぷをフル活用した乗りテツ旅。
尚、リゾート21の展望席も料金不要の自由席なのですが、「ルール」として「着席乗車」が条件付けられている為、立ち席乗車で正面にかぶりついて…という乗り方が出来ません。
席数は24。故にそれを考慮して、あるいは出来ればお子様連れの家族優先でホームで列車を待つのが良いと思います。
中間車の窓向き座席でも十分楽しめる列車ですから。
東海道本線の熱海ー根府川間の車窓もなかなかですが、リゾート21という特別な列車の展望席から望む相模湾は格別。
1653Mは伊東止まり。
画像の様に乗ってきたキンメ列車がホームに入線するのとほぼ同時に伊豆急下田からの黒船列車も反対側ホームに滑り込んできます。この列車の展望席に陣取るのは流石に無理なので、中間車の空席に着席し、また違った雰囲気に見える相模湾の景色を楽しみながら熱海駅に戻ります。
昔はもっとエグい乗り得列車がいくつかありました。
私が実際に乗車したのは373系運用だった頃のムーンライトながらを東京駅に送り込む為の静岡発東京行き普通列車や、更にエグいのは羽越本線の特急「いなほ」が村上駅から新潟駅まで戻って来る時に何故か解放されていた「グリーン車」などがありました。本当にエグい列車でしたね。
今は昔の物語ですね。
悪魔の囁きが聞こえる…
管理人の長編コラム その5
ふと車内広告を見た管理人。
しれーっと書いてある文面を見ると…これって「値上げする」って事だよなぁ…と理解。
そこで「会社の休日」「ダイヤ改定前」「運賃改定前」「嫁の機嫌がいい」という条件がそろった2023年2月21日、久しぶりに大都市近郊区間大回り乗車の旅に行ってきました。
いまさら説明をするまでもない「大回り」ですが、私なりのコラムを添えてレポートしてみたいと思います。
冒頭…悪魔の囁き…と書きましたが、このいわゆる「大回り乗車」は「キセル乗車」とほぼ紙一重の乗車方法です。
多くの先達が色々なメディアでレポートされているので目にされる機会も多いと思いますが、ルールを守っていれば何ら問題の無い乗車方法です。
が、トラブル防止の為、私も同様に最低限「自作の行程表」を持参して旅をされる事をお勧めします。
行程表はメモ紙でもいいのですが、小さなシステム手帳を使うのがお勧めです。私が愛用している手帳も数十年前に100均で買ったものです。罫線の有るものが一般的ですが、無地のものを数ページ混ぜておくと、旅先で「駅スタンプ」を見付けた時に押す事が出来るのでおススメ。あと切符やカード、領収書を入れられるポケットと簡易計算機をセットにしておくと便利です。ぜひ貴方好みにカスタマイズしてみて下さい。
今回の旅の始まりは東淀川駅です。
理由は後に書きますが、この駅で買える一番安い切符は隣の「新大阪駅」までの130円の切符です。
ちなみに「IC乗車券」でもこの「大回り乗車」は出来るのですが、これも何らかのトラブルが起きた場合に不要な手間がかかるのでおススメしません。少なくとも…
「私は正当な切符を持っています」
という事を説明する為にも券売機で乗車券を購入しましょう。
編集の関係で時系列がズレていますが、上がこの日の切符。
5時15分に購入しています。
駅の自販機で買うペットボトルのコカコーラより安い切符で…
東淀川-京都-近江塩津-米原-草津-柘植-木津-奈良-天王寺-大阪‐新大阪…の旅が可能です。
もちろん…改札から外には出れません。
前述の様に東淀川駅のホームで甲種回送を見送った後、5:45発の京都行きに乗車。
各駅停車なので41分、38.3㎞の旅です。
当初雪は降っていませんでしたが、高槻を越えた辺りからちらほらと舞い始めました。
まもなく到着する西大路駅では1月に列車が長時間立ち往生するニュースがあったばかり。ふとイヤな予感がよぎりますが、京都から先の湖西線は「降雪上等」の頼もしい路線。とはいえ「万が一」も考えておかなければならないのが…
「大回り乗車のリスク」
です。
6:26 京都着。…ま、軟弱とはいえこの程度の降雪で乱れる東海道本線ではないのですが…
ここからはもちろん117系と戯れる事が目的の旅。奈良線ホームで205系を撮影したり、案外多くの往来がある貨物列車を撮影したりするうちに夜が明けてきました。
「大回り乗車」といっても駅構内を徘徊してはいけない…というルールは無いので、列車を「駅撮り」する場合、状況によっては「入場券」で駅に入るより、「大回り乗車ルール」を使った方が都合が良い場合もあります。
例えば撮影したい列車が朝、昼、夜に分散している場合などです。
6:54定刻…個性的な4つ目のヘッドライトを輝かせながら117系S01編成が京都駅にやってきました。
ここから折り返して7:00発の近江今津行きになります。
時間的には余裕が有るので117系をしっかり撮影したいという方は御覧の様に4番線ホームから撮影する事をお勧めします。
ここからだと画角も広くとれ、下回りもクリアに撮影出来ます。
もちろん他の乗客の迷惑にならないような配慮も必要です。
京都から山科を経て117系は湖西線を北上していきます。
「大回り乗車」のルールに「一筆書きでないとダメよ!」というのがありますので、いくら117系が好きだから…あるいは運用上そうなっているから…あるいは「どうせバレないから」…と…柘植からこの117系に乗り、京都まで行って折り返し、終点の近江塩津まで乗車をするとルール違反になります。
「山科駅を2度通過する」からですね。
貴方の中の悪魔が甘い囁きをするかもしれませんが、ちゃんとルールを守りましょう。
さて、前述の様に堅田駅か蓬莱駅でこのS01編成を捨て、近江今津で折り返してくるS01を撮影後、S02編成に乗車するつもりでしたが、下車した蓬莱駅の状況があまりに過酷だったので、折りしもやってきた113系のⅬ5編成に飛び乗ります。
このクハ113-5717のシートは懐かしのボックスシート。
背もたれ…垂直!直角!…クッション…カッチカチ!…
これはこれで旅情があってアリの列車選択ですが、個人的には転換クロスシートの方が好きです。
画像にあるようにJR西日本は23年3月18日に大阪駅地下ホームの開業に合わせてダイヤ改正を行う予定です。湖西線の運用が大きく変わるとは思いませんが、こればかりは判りません。
さて、近江舞子駅で117系S02編成と戯れた管理人。予定より8分遅れの新快速敦賀行きに乗車します。
「敦賀行き?」
JR西日本は恐ろしい事に毎時一本、姫路や網干発敦賀行きという超長距離快速列車を運転しています。
距離にしてなんと224.8km、兵庫、大阪、京都、滋賀、福井を駆け抜ける3時間の旅です。
青春18きっぷの販売期間内等に是非一度経験してみて下さい。
先程「降雪上等」と書きましたが、それでもJRもアホではないので、この日のようなコンディションの場合は対応策を用意していて、乗車した列車の行き先は確かに敦賀ですが、途中の近江今津で「車両交換」をします。
交換…は行き違いをする…という意味ではなく、近江今津-敦賀間に別の列車を仕立て、それに乗り換えるというものです。
こうすると降雪によるダイヤの乱れに対応しやすくなるので、湖西線、北陸本線では良く行われます。
なので、近江舞子で乗車した新快速「敦賀」行きは近江今津で運転を止め、隣のホームの近江今津発敦賀行きの新快速に乗り換えます。
乗換時間は僅か1分。
階段を駆け下り、駆け上がり、223系から223系へ…乗客にすれば迷惑な話ですが、それでも必要な車両交換です。
近江塩津駅は関西圏の大都市近郊区間の北端の駅。
「大都市近郊?」という言葉が霞む1日平均の乗降人数が200人前後という駅です。
ホームに降り立つと向い側に11:07発予定の米原経由姫路行きの223系新快速が停車していました。
稀有ですが…湖西線の駅から近江塩津を経て米原までの乗車をする方もおられるので、この駅では列車が連絡停車します。
一本の列車の遅れがすべての列車の遅れに波及するのはこうした連絡停車や優等列車の退避に関係するのですが、上記のような「車両交換」をするのはこうした状況に柔軟に対応する為の方法の一つです。
ちなみにこの近江塩津駅ですが…無人駅です。
何が言いたいかというと…本来はこの近江塩津駅を経由する大都市近郊区間の大回りはOKかNGか…結構グレーです。
なぜなら「有人駅では改札を出る事、無人駅では列車から降りる事」イコール「途中下車」です。
「大回り乗車」の場合、途中下車をしてはいけないので、本来はNG…アウトです。
が
おそらく…おそらくですが…
〇使用している車両に運賃箱が設置されていない事。
〇上記の様に近江塩津を経由して湖西線と北陸本線間を乗車する利用者がいる事。
〇本来の改札を出なくても列車を乗り継げる駅構造になっている事
〇JR側の厚意…あるいは面倒だから…特例?(どこにも書いてないけど…)
といった理由だと推測します。あくまで推測です。
等と言いながら、有難い「大回りの旅」は続きます。
これまた驚くべき事に近江塩津-米原間の北陸本線側では天候が一変します。
雪は積もってはいますが全く降っていません。
自然って…恐ろしいですね。
上記画像の様にそれでも3分遅れで走る新快速。車内はガラガラ…次の目的地の草津着は12:22予定。
この機会に持参したおにぎりを食します。
ところで…よく話題に出ますが…通勤電車で駅弁を食べる…って…どのレベルからOKでNGなのでしょうか…
が…
「この列車は米原で車両交換を行います…」
と、いう放送が…ま、予想していたんだけどね。
結局本来ならそのまま草津まで座って行けるはずの列車かから降ろされ、跨線橋を渡りまたまた車両交換を体験。
…もちろん223系…いったい何両持ってるんだろう?
…という、管理人の休日の過ごし方をそのままタイトルにしたこのホームページは、過去の写真たちの倉庫…として作成したものです。故に…最新の画像がupされている訳ではなく…
「あ、こんな画像も残ってた…」
といった、HDDを弄っている時に掘り出したものが多く掲載されています。
画像のお持ち帰りは自由ですが、転載転用加工は厳禁で!マナーを守って頂ける方のみに提供させて頂いております。
…と、いっても、自慢できる程の腕も技量もセンスもありませんが…適当に古くて珍しいものもあるかもしれませんので、お時間のある時の暇つぶしにご覧ください。
profile
編集長名 : はんなみら
住所、活動場所 : 大阪近郊区間
職業 : 某企業の事務職
主な趣味 : 鉄道写真 ドライブ 旅
航空祭 模型
アンナミラーズ巡礼
好物 : 117系
苦手なもの : N700系
主な機材 :ソニーのデジカメ(画像用)/パナソニックのムービー(動画用)/ミノルタα807i (プリント用)
愛車 :T社のツーリングワゴン
座右の銘 :諸行無常
こんにちは、はじめまして。
このホームページ&ブログの管理人、はんなみら です
フィルムカメラからデジタルに、そしていまや携帯電話でも美しい写真が撮影できる時代になりました。
写真は好きです。1枚の写真を見るだけで、あの頃のあの瞬間がよみがえってきます。
多くは旅行や鉄道に関する画像ですが、街中のちょっとしたスナップ写真も掲載しています。
最近は携帯電話のカメラ機能も進化し、コンパクトカメラよりも美しい写真が撮れる時代になりましたね。旅行に出る度に今回はどの機材を持って行こうかと思案するのもまた楽しみになってきました。
以前大阪のATCをぶらぶらしていたらこんなシーンが…っていうのも、写真の面白い所ですね。
でも、気楽に採れる分、プライバシーとのバランスも難しい時代になりましたね。
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